Sing song again

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Sing song again

「あいつの心を動かして歌を歌わせたいだって? そんなのオレなら簡単さ」  風吹楓(かぜふきかえで)温水太陽(ぬくみずたいよう)に自信満々でこう言った。楓は勝ち気でボーイッシュな少女だった。太陽は彼女の勢いに少しだけ負けそうになったが、負けじと声を張る。 「僕はどうしてもあいつの歌が聴きたい。だから、楓と僕でどっちが彼女を歌わせられるか勝負だ!」  なぜ二人が競うことになったかといえば、それは二人の共通の友人である新堂詩(しんどううた)が三ヶ月前から姿を見せなくなったからだった。新堂詩は仲間内では一番、歌が上手だった。どうして姿を見せなくなったのかはわからない。楓と太陽はそれが悔しかった。だからこそ、二人は彼女の歌を聴くために勝負をすることにしたのだ。  数日後、話し合いの末にまずは楓が詩を説得を試みることになった。楓と太陽は彼女の家まで歩いている。 「楓はどうやって連れ戻すつもりだ?」  太陽は気になっていたことを聞いた。 「そんなの簡単さ」  彼女はウインクをした。
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