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一度発生してしまった竜巻は時間の経過でしか消える事は出来ない。
そんな悠長に待ってられないのなら
「詩雲。」
「り・・・了解っ。」
体力が少し回復した詩雲は神力を使い白雪を宙に浮き上がらせる。
「油、それとお前ら二人も行け。」
ララからの突然の指名が入る。
有無も言わさずに焔と花火は心の準備も出来ないまま空に飛ばされた。
上から焔の絶叫が響き渡った。
「・・・扱いの差よ・・・。」
白雪の空への浮かせ方と比べて雑すぎである。
「絶叫系すきそうじゃね?」と、ララがあっけらかんと言う。とりあえずその絶叫系とは何なのか分からない翠は知らぬ存ぜぬを突き通した。
とりあえずこれが原因で焔が高所恐怖症になっていない事を祈るばかりだ。
宙に浮いた焔達は飛行部隊と同じ高さまで上昇する。
「うっ!」
上空に行けば行く程竜巻の風がすぐ近くに感じられ気を抜けば直ぐに吹き飛ばされそうだ。
白雪が念話で合図を送れば詩雲がやって来て風を作り竜巻に変化させていく。
作り出した竜巻はあっという間に飛行部隊達の竜巻とほぼ同等の大きさになった。
「な・・・っ!?」
同じ風の神力使いだと言うのに自分達との力の差を見せられ彼等は圧倒され動揺する。一介の芸人風情がなぜこれ程までに強い神力を持っているのかと。
詩雲は己の作った竜巻を相手の竜巻にぶつけた。
竜巻同士をぶつけ合うとどうなるだろうか。
力が弱い方が消滅し残った竜巻の威力は落ちるが残る事が出来る。または逆に吸収し、勢力が増すかもしれない。
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