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「・・・な・・んで・・・?」
知っているんだと風美は目を見開いたままララを見る。質問をしているのはこっちだと更にララは続ける。
「翠と魄が逃げ切れた時、内心安心したんじゃねぇの?」
「・・・違う。」
「本当は二人共北に連れて帰りてぇって思ってねぇだろ?」
「違う!!」
任務を遂行する為に西まで赴いた。
全ては任務の為。
せめて二つのうち一つでも遂行しなければならない理由が風美にはある。
「北の姫さんの為・・だろ?」
なんでそんな事まで知っているんだ。丸裸にされた気分だった。
北の第五姫、風神で廃され処刑された元正妃の一人娘。
正妃が処刑されるなんて前代未聞ではあるがそこに愛姫が関係している。廃妃の娘と言う理由なだけで身分を剥奪され幽閉されていた姫はある提案を己の父である闇神に持ちかけ身分を取り戻し、北の国益となる為に様々な分野で尽力してきた。
しかし、その裏側で彼女が行っていた事は身内との命の奪い合いだった。
とある人物に闇神にその事を報告されたくなければ戦力になれと脅され兵となった。そして今回風美は探しものを連れて帰ると志願するように命令されてここに来た。
しかし、思いのほか上手くいかず、もう後がないのだと言う。
「豊作の女神が単独で戦闘している時点でおかしいと思ったのよ。」
団体での戦闘を得意とする花神が単独で行動していると言う違和感が拭えなかった。
風美は元々第五姫の専属侍女。何故彼女を一人でこの任務を任せたのかそこが分からない。第五姫との密接時間を減らす理由があるなら別の仕事をさせればいい。
風美自身に何かあるのか。
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