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「つぅかお前、名前変えられてんじゃねぇか。」  元々の名前が無駄に可憐で弱々しそうだから気に食わないと言う理由で風神である姫に因んだ【風】を使用し風美に改名されたとの事。  元の名前は剥奪された事により思い出す事は二度と無い。  きっと元の名前で呼んでも本人はピンと来ないだろう。  改名させた理由を聞く限り第五姫自身、相当性格が歪んでいるかもしれない。 「その命の取り合いなんざ北から言わせればみてぇなもんだろ?その姫さん逞しそうだから心配しなくていいって。」  闇神が聞いても咎められはしないとララははっきり言う。 「・・・・・・。」  第五姫の事よりもまずは風美の事だ。  本心はやりたくてやったわけではない。けして許されない行為であると自覚もしている。村を壊滅させた時、彼女は声を殺して「ごめんなさい」と、心で何度も叫んだ。  火ノ神の時もそうだった。あんな事二度とやりたくない。 「火ノ神様?」  その名を聞いて白雪がどういう事だと怪訝な顔をする。 「あぁ。」  薬にも精通していた為、闇神本人に呼び出された彼女は拷問されている火ノ神の治癒役を任された。    ーー死なせないように治せーー  苦しませるよう長らく生きらえさせる為だけの治療。目の前で行われる惨たらしい光景に何度も目を背けたくなるも何度も治療を施した。  かすれかすれの今にも消え入りそうな小さな声でボロボロになった彼は言う。   ーー悪ぃな。        こんな役やらせちまってーー  火ノ神は彼女の気持ちを理解してくれていた。  表情を必死に抑え治療をしていた彼女はその言葉を聞いて涙した。  
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