第0話 (2/2) - 目

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第0話 (2/2) - 目

 条件を課されることで引き起こされる固有の超常現象はその超能力者の系統に基づいて発現し、また、性格や生活環境から大きな影響を受ける。超能力者の流れるサイクスの色によってタイプを見分けることができ、以下のように分類される。  ・物質生成型超能力 (黄)→サイクスを具体的な物質に変換し、超常現象を引き起こす超能力。  ・身体刺激型超能力 (赤)→身体機能に影響を与える超能力  ・物質刺激型超能力 (紫)→現実に存在する物質に影響を与える超能力(超能力によって生成された物質は対象外)。  ・精神刺激型超能力 (青)→人や動物の精神に影響を与える超能力  ・自然科学型超能力 (緑)→自然科学に基づく現象を引き起こす超能力  ・特異 (複合)型超能力 (黒)→ あらゆる超能力に影響を与えるまたは利用する超能力。全ての型の超能力に影響を与える為、複合型とも呼ばれる。また上記タイプに分類できない超能力もこれに分類される。 「……さん、……まさん」 「月ちゃんっ!」  瑞希は菜々美から背中を小突かれ、教師に呼ばれていることに気付いた。 「あっ、はいっ! ごめんなさい」  慌てて返事をする。クラスメイトの視線は瑞希に注がれ、菜々美は後ろで必死に笑いを堪えている。 「もう随分前から知っている内容だろうけど復習だと思って聞いてね」  一目できちんと手入れされていることが分かる黒髮ロングヘアーを後ろに団子状に束ねたサイクス学を担当する女性教師、徳田(とくだ) (はな)は瑞希に少し微笑みながら注意した。 「すみません……」  教室で少し笑いが起こり、瑞希は恥ずかしさで少し顔を赤らめて下を向いた。
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