第0話 (2/2) - 目

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(いつ? いつ発動条件を満たした? 私はサイクス学の初めての授業から徳田花への外見の認識は一貫している。と言うことはサイクス学が始まる前から彼女と出会っていた?)  徳田花の行動を思い返す。  ボールペン  彼女は時折胸ポケットに視線をやることがあった。そしてそれは先の会話でも例外ではなかった。彼女は胸ポケットにボールペンを3本を常時刺しているが赤いキャップのボールペンは常に持っている。そしてそのボールペンを使っている姿を見たことがなかった。 ***** ––––東京都第3地区11番駅の北口改札前   「あの女の人みたいに髪の毛いーっぱい伸ばしてなびかせたら大人な女性になれるかなって」 「えー? 月ちゃんショート似合ってて可愛いのにー。でもあれ位の長さなら2-3ヶ月でなれそうだけど」 「いやいやいや、少なくとも半年は必要でしょ」 「そっ……かな?」 ***** (ははっ)  私は徳田花と東京都第3地区11番駅の北口改札前で会っている。いや正確に言えば4年前に会っている。  そして確信した。  私の〝目〟は嘘をつかない。
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