第1話 - 思案

4/6
前へ
/913ページ
次へ
「同僚の妹の監視なんていい気分じゃないわね」  花は濡れた身体をバスタオルで拭く。拭き終わるとバスタオルをそのまま身体に巻き、髪の毛用の拭きタオルで髪の毛の水分をとった後にアップにする。 「よしっ」  そう呟くと花は洗面台からオイル美容液を取り出す。手のひら全体にオイルを広げ、顔の内側から大きく外へ円を描くように大胆につける。入浴後の花のルーティーンである。 (てか、潜入するにしても非常勤とかでよくないかしら? わざわざ1年5組の副担任て……ただでさえ子供の扱いなんて慣れてないのに……ストレスで肌が荒れるわ)  花はパンッと洗面所に響き渡るほどに勢いよく頬を叩くいた。 (それに……もし……もしも危険な超能力(ちから)だったら私じゃ対処できないわよ。上野さんの超能力(ちから)なんて典型的な身体強化じゃない。せめてあと一人派遣して欲しかったわ)  花は入念なボディケアの後、ワンピースタイプのルームウェアを着て洗面所を後にした。
/913ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加