第1話 - 思案

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(4年前、私は徳田先生に会っている)  上野菜々美と別れた後、月島瑞希は自宅へ向かいながら思案する。 (両親の殺害現場に多くの警察官が現場検証に来ていた。その中に先生はいた) ––––〝あなたの存在証明(サイクス・マッピング)〟  その場に残留したサイクスを可視化する。またその色によってどの型に属する超能力なのかを特定する。 (これだけだと超能力の特性を分類できても個人までは特定できない。でも私は生まれつき一人一人の残留サイクスの淀みや流れ方など何となく特徴を読み取れる。徳田先生のサイクス……綺麗な透き通った水色。とっても綺麗だったから覚えやすかった)  瑞希は様々な可能性に思いを巡らせながら一定のリズムで歩を進める。 (先生の超能力は発動条件を満たした後、対象者に先生自身の容姿を誤認させる超能力(ちから)。発動条件全ては分からないけど先生のボールペンを(ボールペンだけでなく先生の私物の場合も考えられる)対象者に触れさせてそれを先生が所持しておくことはほぼ確実)
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