第2話 - 姉妹

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第2話 - 姉妹

「いつもより帰り遅かったね」  真珠のように白い肌、妹の瑞希と似た美しい顔立ちに5歳の落ち着きが加わった車椅子に座るこの女性の名前は月島(つきしま) 愛香(あいか)。後天性の自然科学型超能力者である。 「うん、放課後に先生に呼び出されてた」 「あら、何かあったの?」 「授業中にぼーっとしてたら注意されちゃった」 「余裕かましてないでちゃんと集中しなさいよ」 「わかってるよー。少し疲れてただけ」 「なら良いけど」 (姉妹っていうよりも母娘ね)  夕飯の支度をしながら阿部翔子は2人の様子を窺っている。 「翔子さん、今日の夜ご飯なにー?」 「この間瑞希ちゃんが食べたいって言ってたシチューよ」 「やった! 私手伝うよ」 「みず、先に制服着替えたら?」 「はーい」 「ふふっ、じゃあ着替えたら手伝ってね」  瑞希は頷くと着替えるために2階の自分の部屋へ向かおうと階段に足をかけた。
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