第2話 - 姉妹

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愛香は2人の姿を見るとそれまで優しさに満ちていた瞳が一瞬にして厳しさを帯びる。 「玲奈、瀧さん。また例のですか?」 「あぁ。今回も一気に2人だ。これまでの遺体と同じく2人とも首に針のような物で刺された跡だ。そして現場は激しく争った跡もあった」 「確実に超能力者の仕業ですね」 「えぇ。私たちの予想通りなら精神刺激型超能力者の犯行」  約1ヶ月前、東京都第3地区で奇怪な2人の死体が見つかった。2人とも首に針のような刺し傷、そして現場には争った形跡があり、それは被害者2人のものだったと判明した(愛香の超能力によってこれは明らかにされた)。同じケースがあと2件発見されている。   「とにかく現場へ行きましょう」  愛香はそう呟くと車椅子のハンドリムに手をかけた。 「翔子さん、ごめんなさい。私今日は晩ごはん一緒に食べられそうにないです」 「分かった。気をつけてね」 「ありがとうございます」
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