第3話 - 意思とサイクスの親和

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「……ッッ」  愛香は言葉を発せずただただ座り込むことしか出来なかった。そして顔を覆った。 しばらくして愛香は自分の内側からひしひしと沸き立つものを感じ取った。  悲しみ、怒り、恐怖……  同時に愛香は感情とはまた別の、もっと具体的な何かを感じた。    月島愛香は妹の瑞希と違い、サイクスを持っていなかった。しかし突如として目の前に表れたショッキングな光景、そしてその被害者が実の両親であったことが引き金となり、後天的にサイクスが発生した。    そのサイクス量は生まれつきサイクスを保持しておらず扱いに慣れていない後天性超能力者にとって余りにも膨大な量だった。  更に愛香のサイクスは彼女の感情をまるで読み取っているが如く、その時の彼女の望みを叶えるかのように超能力を発現した。
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