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体力測定テストではサイクスを使わず純粋な体力での測定をするように生徒たちは注意されている。
7.21秒。
50m走を終え、記録が記入されたデータを表示させながら瑞希は菜々美の元へと歩いてきた。
「月ちゃんお疲れー。じゃあ私行ってくるね」
菜々美はそう言うとスタートラインへと歩いて向かって行った。
片手にはサイクスを纏った注射器を持っている。
「(あ、使う気だ)」
「(なっちゃんの"病みつき幸せ生活"。サイクスで具現化された注射器を自分の脚に打ち体力、脚力、筋力と運動能力を飛躍的に向上させる。元々運動神経抜群のなっちゃんが使うからとんでもないことになっちゃう……)」
「(上手くやりなよ……てかバレないように)」
2番手の子に圧倒的な差をつけた菜々美が得意気な顔をしてこちらへ向かってきた。
「いぇーい、月ちゃん、私6.1秒〜。1秒も速い〜」
「それ日本記録じゃない?」
「多分。測定係の人もビックリしてた」
「手加減しなよ」
「いやいや、本気でやったら100mを2秒以内で走りきれるよん」
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