第0話 (1/2) - 目

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 先天性超能力者の中でも生まれつき異常なサイクス量を持つ者が稀に誕生する。  その場合、政府認定の下で初等教育/中等教育よりサイクスに関する実技訓練を中心にサイクスの扱い方を学ばせるプログラムを含めた特別教育機関への入学が義務化される。高等教育からは一般教育を受けてきた生徒たちと同じ高等学校に入学する。 「なっちゃんもう超能力発現したんだっけ?」 「したよ〜。月ちゃんまだ?」 「うん。才能ないのかな?」 「いやいやいや。月ちゃん、サイクス量とんでもなく多くて実技も座学もおまけに一般教養まで全ての項目でトップの優等生、天才児じゃん!」 「いや、まぁ……」 「謙遜して下さい」  サイクスは条件を課すことでさらに強力な超常現象を引き起こすことが可能となる。2704年、15歳を迎える頃にサイクス量が大幅に増え、固有の超能力を持つようになるという統計結果が発表された。これは精神的/肉体的に成熟していくことに起因すると考えられている。これを受け、政府は2709年に義務教育年数を18年間に改定し、高等学校教育より実技を含むサイクス学を加えることを決定した。  これはサイクスの増大から生じる暴走の抑制/監視、固有の超能力開花を滑らかに導くことを主としている。
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