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車の中にいる東の姿を見て、春妃は自分が安心するのを感じた。
春妃の顔色はそんなに悪かっただろうか。
東は
「…大丈夫ですか?」
と車に乗るなり聞いて来た。
春妃はこくりと一度頷いた。
「悪いんだけど、手…握ってもらえる?」
東は優しく春妃の手を握った。その手は温かかった。
春妃はもう飲むことはないと思っていた、ストレートティを飲んだ。紅茶の微かな渋みを感じる。この味はこの思い出と一緒に忘れられなくなる気がした。
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