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武器になりそうなモノが部屋に無いか探すが、何も無い。 二人はドアを挟み、開いたと同時に飛びかかろうと身構える。 「ジュラ・・・さっきは、ゴメン。君のせいみたいに言って」 「気にすんな、マイケル。今は生きて工場を出る事だけを考えな。二人同時に仕掛ければ、きっと何とかなるよ」 しばらくの静寂の後・・・ドアが開く。 「う・・・うわぁぁぁぁ!」 叫びながら、入ってきた黒服の男に飛びかかるマイケル! シュッ、と何か風を切るような音がした。 それと同時にマイケルの腹が裂け、大量の血と共に腸が飛び出る。 「うあぁぁぁぁぁ!」 腸が床に落ちないように、斬られた腹を押さえて踞るマイケル・・・黒服の男はブレードを片手にマイケルを見下ろす。 すると、身を潜めていたジュラが速やかにドアから外へと出て行った。 「ジュラ・・・一緒にやるって、言ってたのに・・・最初から、僕を囮に?」 裏切られた悲しみと、腹を斬り裂かれた痛みからマイケルは涙を流す。 そんなマイケルの視界に、何かが転がってきた。 それは、結局逃げ切れず黒服の男に首を切断されたジュラだった。 「・・・あぁ・・・ジュラ・・・あはは・・・結局、先にやられちゃったんだね?あはは、ざまぁ!」 知らせを聞いた深井博士が、部屋へと入る。 踞って泣きながら笑みを浮かべるマイケルの背を見下ろしながら、深井博士は深い溜め息を吐いた。 「また貴重なサンプルが台無しになってしまったのう・・・後で、工場長にも責任をとらせるか。それにしても、美少年じゃのう。このまま死なすのは惜しいわい」 深井博士の言葉を聞き、マイケルは思った。 もしかして、僕・・・助かる?勉強も運動も苦手な貧民区民だけど綺麗に生まれて良かった!お父さん、お母さん・・・ありがとう! 深井博士は踞るマイケルのズボンを下ろす。 「な、なにを・・・何をするんですか!?」 「動くんじゃあないぞ、少年。動けば腸が床にばらまかれるからのう。しっかり、押さえておくんじゃぞ?」 深井博士はマイケルを犯した。 「あ゛あ゛あ゛・・・やめてぇー!汚れちゃう、僕!汚れちゃうよぉ!」 結局、マイケルは出血多量で息絶えた・・・ほぼ、それと同時に深井博士もイった。 「ふぅ・・・これで少しは溜飲が下がったわい。ウェットティッシュ持っとる?」 深井博士のボディーガードを勤めている黒服が眉をしかめながらウェットティッシュを差し出した。 ミンチになり息絶える瞬間、マナの脳裏に記憶の波が押し寄せていた。 追憶の海に沈むマナの身体は真っ白で、周囲に様々な映像が走馬灯のように駆け巡る。 「私・・・ミンチになって死んだのに、なんで意識があるんだろう?幽霊になったのかしら・・・どちらにせよ、さっきよりはマシよね。そう、死んだ方がマシってやつよ。だんだん、思い出してきた。私だけが、世界を救えるって・・・言われたのに」 最初に思い出したのは幼い頃、病室で父と話している自分の姿だった。 「パパ、本当にこれを飲めば良くなるの?」 「そうだよ、マナ。これはね、パパの知人から売って貰った隕石の粉なんだ。この粉を飲んだ爺さんは110歳まで元気で、風邪一つひかなかったそうだ。まぁ、既に交通事故で死んじまったらしいけど・・・」 そんな話の後、マナの父親は嫌そうな顔をしている生まれつき病弱だったマナに大金を出して買ってきた隕石の粉を飲ませた。 「いいか、マナ。この事は誰にも内緒だぞ?勿論、ママにもな?」 今になって、すっかり忘れていたを思い出すなんて・・・もしかしたら、これが原因? そう思いながら、マナの記憶はシーンを変える。 家族揃って居間でテレビを見ていた。 「先程、地球に向かっていた隕石がミサイルによって破壊されました!」 ニュースキャスターが興奮気味に言った。 しかし、その隕石の破片は大気圏で燃え尽きず・・・世界各地に落下した。 それから間も無く、異変が起きた。 世界中で・・・勿論、マナが住んでいる国でも。
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