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「帰ってきた~っ! なっつかしいなぁ、この辺り」
ふと足をとめる。
「どうしたんだ? 繭」
「うん‥‥‥この辺にね」
「なぁに?」
「何か建ってなかったっけ」
両親は顔を見合わせた。
「どうだったかな」
「ずっと更地だったと思うけど?」
「そう‥‥‥」
「ほら行くわよ、制服の採寸はじまっちゃうじゃないの」
「ん!」
相田繭は駐車場の前を通り過ぎる。
今は電子版となったゴシップ誌。
見出しが変化を始めても、もう誰も気がつくことはない。
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