優しい魔女

3/3
前へ
/11ページ
次へ
「帰ってきた~っ! なっつかしいなぁ、この辺り」 ふと足をとめる。 「どうしたんだ? (まゆ)」 「うん‥‥‥この辺にね」 「なぁに?」 「何か建ってなかったっけ」 両親は顔を見合わせた。 「どうだったかな」 「ずっと更地だったと思うけど?」 「そう‥‥‥」 「ほら行くわよ、制服の採寸はじまっちゃうじゃないの」 「ん!」 相田繭(あいだまゆ)は駐車場の前を通り過ぎる。 今は電子版となったゴシップ誌。 見出しが変化を始めても、もう誰も気がつくことはない。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加