泥棒猫

3/3

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
 ずっと走り、いつもの寝所に付いた。  ここまで来ると、あの人間は諦めて追いかけてこないことは分かっている。  走って疲れた。  だが、さっさと食べないと他の奴らに獲物を取られてしまう。  せっかく苦労したのだ。横取りされるなど冗談ではない。  魚の腹にかぶりつく。相変わらず旨い。苦い部分が口に広がるが、それすらも食欲をそそる。  夢中で食べていたら、骨までかじってしまっていた。腹が満たされる。走った疲労も重なって眠くなってきた。  日が暖かい。欠伸が出る。せっかくだから、普段しない毛繕いをして……あ、駄目だ眠い。  身体を丸めて、目を閉じる。  
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加