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このまま、こんな日が続けばいい。
誰もがそう思っていた。
いつものように、朝から晩まで訓練をして、少年は妄想を楽しみ、先輩達は呆れながらも笑い、身体を鍛えるだけ鍛えて結局敵の侵攻も無く、姫の穏やかな笑顔に癒され、寿命が尽きるまで平和に過ごしていく。
そんな毎日がずっと続けばいい。誰も傷付かず、命を落とさず、姫も亡くなった者に祈りを捧げる必要の無い、そんな日々が当たり前になってくれればいい。
皆の想いだった。
争いなど起きてほしくない。程度は違えど、この国の、人々全員の共通認識だった。
だが、今は争いの世。
そんな甘い考えなど通じるはずも無かった。
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