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「敵兵に怯むなぁ!!全力を出して姫を、皆を守れぇ!!」
兵士達は準備もそこそこに、敵に向かって突き進む。
前線の仲間の犠牲を無駄にしない。全員が同じ思いで対峙し、戦った。
雑草が根を強く張るように、地に足をしっかり付け、誰もが辛抱強く懸命に剣を奮っていた。
「やぁぁぁ!!」
それは少年も同じだ。
先輩兵士のように敵兵を倒すほどの技量は持ち合わせていなかったが、見た目に油断した相手を怯ませる位には奮闘している。敵兵も最初は脅威に感じていなかったが、微弱ながらも気迫のある少年の姿に一瞬気圧され、隙を付かれてやられていく兵士が増えてくると、考えを改めた。
まだ若く青い草だが、放っておくと強く根を張り、厄介な存在になる。敵兵は段々と、少年を警戒していった。
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