雑草の兵士

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「……!!」    だが、少年は倒れなかった。    心が折れかけ、服従しようとした瞬間、頭に浮かんだのは姫のことだった。昔読んだ本に出ていたような、優しくて気品のある、雑草のような自分にも笑顔を向けてくれる、理想の姫。大変な訓練の日々を癒し、目標になった姫。あの人をずっと見ていたい、守っていたい。  その想いが、少年を奮い立たせた。 「うおおお……!!」  剣を力強く振り回す。周囲の敵を薙ぎ払う勢いの剣檄だ。  敵は怯んだ。可能性は感じていたが、まさかここまで来るとは思っていなかったからだ。  思わず後ずさる。その隙を、少年は見逃さなかった。果敢に立ち向かおうと、剣を奮おうとする。
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