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スマホのアプリから電車の時刻表を確認した。後15分後には那智は電車に乗ってこの街から去ってしまう。 清香は話そうかどうか、直前まで葛藤していたんだろうか。 学校から駅は真逆の方向だ。いつもの道からでは15分では到底間に合わない。 「横丁だ。あっちを抜ければ」思い立った俺は裏路地に入り、狭い通路を駆け抜けた。 シャッターが目立つ古い商店街だが、駅までその道を真っ直ぐ進むだけだ。 このまま行けばギリギリ間に合うが、俺は那智に言いたい事がある。ギリギリじゃダメだ。もっと時間が必要だった。 寂れた横丁は妙に人気が多かった。きっと最近流行ってるスイーツの真似事をしてる店があるんだろう。『元祖たまごぷりん』と書かれた登りが立っていた。 徐ろに風景を眺めていたら、鍵の掛けられていない自転車に目が止まった。 間が指すとは、きっとこの事なんだろう。 俺の中で心が揺れ動くのを感じた。
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