プロローグ

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プロローグ

「由美は好きな人いないの?」 「彼氏欲しいとか思わないの?」 「恋してドキドキしたくない?」 何度となく言われてきた言葉だ。 25年生きてきたけど、私は恋愛的な意味でまだ好きな人ができたことがない。 そりゃ普通にイケメンを見てカッコいいな〜とは思うけど、それが「好き」とか「付き合いたい」とかにならない。 でも私は別にそれで悩んだことは全然ない! だって世の中には楽しいことで溢れてるし、友達も多いから彼氏なんていなくても全く不都合ないんだもん。 それに私には推しがいるから、推しを愛でるのに忙しい。 ‥‥と思ってたんだけど。 どうしてだろう、彼には今まで感じたことのない胸の高鳴りを感じてしまう。 ドキドキうるさい私の鼓動が今にも隣にいる彼には聴こえてしまいそうだ。 私の様子なんてお構いなしの彼は、いつも通りに私に接する。 だけど、その一挙一動に目が離せなくって、瞼の裏に焼き付いて。 まさか出会った時には、こんな気持ちになるなんて全く思ってなかった。 25歳にして遅れてきた私の初恋。 今まで色んな人に言われた言葉が蘇る。 確かにドキドキするね、恋って。 それにしても、まさか初めて恋に落ちちゃった相手が彼だとは思わなかったーー。
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