♯1

3/4
前へ
/96ページ
次へ
百合さんと出会ったのは、かれこれ3年前。 新卒で入社した大塚フードウェイでの新卒入社時研修を終え、広報部へ配属された時だ。 広報部の先輩社員だった百合さんは、人を惹きつける美しさをもつ女性だった。 百合さんは、可愛らしい感じの整った顔立ちだけど、綺麗と表現されることの方が多い雰囲気を纏った美人だった。 髪は胸上までのゆるくパーマのかかったロング、前髪は少しかき上げて大人っぽくしていて、少し童顔なのと絶妙にマッチしていた。 身長は女性の平均の160㎝くらいの高さで、すらりと伸びた細い手足が艶かしい。 全体的に華奢で細身なうえ、柔らかそうな白い肌が目立ち、さらに憂いを帯びた瞳のせいで、少しミステリアスな感じもあった。 (すっごいキレイな人ーー!わぁ、同じ女性から見ても目が離せない美しさ!尊い!!) 一目見た時から私の心は大騒ぎだった。 でも、これで百合さんが見た目だけがキレイな人であれば、私はこんなにハマらなかっただろう。 百合さんは違ったのだ。 なんと仕事への姿勢も真摯で、早いし正確だし、細やかな気配りまでできる人だったのだ。 私への指導も丁寧で分かりやすいし、すごく親身に接してくれるし、「もうこれで憧れない方が無理でしょ!」ってやつだったのだ。 というわけで、入社して出会ってから今日まで、私の推しとして、目の保養で心の栄養で女神だと崇め奉っている。 ちなみに、百合さんご本人にも、私の心の叫びは常々お伝えしていて(漏れ伝わっていて)、その度に百合さんはどう対応していいのか少し困った顔をして微笑まれている。 そんなお顔も尊い!と思っている私である。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3915人が本棚に入れています
本棚に追加