夢中のユメ

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 あるラーメン屋の窓から、二人の女が外を見ていた。  一人はこの店の客で、一人は店員だった。 「もうすぐ到着するバスに、アイツは乗ってるハズよ」  道の向こうを見ながら、レムという客の女が言った。  ちょっと変わった和服姿の女だった。 「そんなにイイ男なんですか?」 「勿論よ。だから、ここで待ってるのよ」 「だけど、内みたいな汚いラーメン屋に入りますかねぇ‥‥?」 「それは、ちゃーんと分かってるのよ」 「へー、そうですか」 「あっ、あのバスに乗ってるハズだわ」  一台のバスが、正面の停留所に停車すると、一人の男が降りてきた。
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