俺はヒーローになれない

　試験終わりの中学3年

「やべえ、人生終わった」

　2週間前からやろうやろうと思ってはいたんだ。けれど時間はあれよあれよと過ぎ去って、気づけば試験前日だった。

　張った山は全て外れ、赤点片手の帰り道。お母さんも怒るだろうが、お父さんはそれでは済まない。お年玉で買ったゲーム機が真っ二つにされるかもしれない。

　眉を八の字に……　もっと角度をつけて……

　俺が反省の表情を練習していると、友人達は大袈裟だと笑った。他人事だと思ってこの野郎…… 　

　こいつらがいればゲーム機なんて要らねえやって、強がったりもしたっけな。