11人が本棚に入れています
本棚に追加
(阿部さんがいたから……)
思い出したら、また無性に阿部さんと話したくなった。
阿部さんのことだから、この昼休みもあの笑顔を他の誰かに向けて、楽しそうに話しているに違いない。
今はその笑顔を、少しでも多く自分に向けて欲しかった。
(結局、そうなんだ)
この気持ちに、名前をつけるとすれば。
——好きなんだ。もう、だいぶ前から。
心の真ん中に、小さな灯が燈ったように、いつもの自分よりほんの少し温度の高い、暖かい気持ちが心の中に広がって、胸がいっぱいになった。
最初のコメントを投稿しよう!