1. ヤバそうなフラグを立てないでください

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「魚住さんの配属先を聞いた時に、大丈夫かなって思ったのよね」   阿部さんの口調は、好奇心やゴシップに対する興味ではなく、心から心配する響きがあった。おおらかそうに見えても、人の気持ちを思いやることのできるひとなのだろう。 「……お互い無視し合ってますよ」 俺は、軽く溜息をつきつつ言った。  それも、俺の机を(はさ)んで右と左で。やめてほしいわ。    俺を巻き込まないで。 阿部さんをこれ以上心配させるのもどうかと思うが、大丈夫だと意地を張るには現状がひど過ぎた。  あの位置関係はやばすぎる。    学生時代じゃ無いけど、席替えしてと言いたくなる。 「やっぱりそうなんだ。間に入って大変ね、木元くん」 阿部さんが同情したように、心配してくれる。
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