番外編⑥ 二藍ランの第百回ファイト日報Ⅱ

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ラン「レイン王女があの子達に保護されたの? そう……あの子達、無事なのね。良かったわ。ビリスタートでファイトに参加したから、任務(ミッション)が上手くいけば挽回できるのね」  ランは教え子達の幸運を喜んだ。優しく微笑む慈悲深いその姿は聖母のようだ。ガリーは元気を取り戻したランを見て安堵する。 至極「教え子の心配より、自身の心配をしたらどうだ? ラン、ヴェン。貴様らが調べたことを上に報告すれば即刻騎士団記録係の称号は剥奪、左遷は確定だろう」 ラン「そうね。ねぇ、今までの事私がハヲとガリーに調べることを強要したのよ。この二人は先輩である私に脅されて調査したのよ」 ガリー「そ、そんな……」 至極「それは嘘だな。お前はいつも自分の事を棚に上げて他人ばかり優先する。昔からお人好しが過ぎる」  ランは至極に自分だけが罪を被るよう虚偽報告をした。彼女は下の者を慈悲深く愛し、巻きこみたくないのだ。至極は同期である彼女のことはよく理解している。もちろん、これが虚偽ということも。ガリーはランの思惑に気がつき、混乱している。 ラン「早く私を上の所に連れていけば。代わりに、アンタは政治一族出身なんだから、このことを必ず明るみにしてよね。腐った政治の世界とやらを根底からひっくり返してよ。デキる男なんだから。」  なんやかんや犬猿の仲であるランと至極だが、本質はお互いの能力を信頼し合っている。ランはこの期に及んでも、不正を明るみにすることに情熱を燃やしており、至極に自分の意思を託した。
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