14話 不気味な髪の森

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 五人は(ライバル)の出現に備え、注意深く森の中を進んだ。相変わらず所々に例の髪の毛は落ちているが、何もしてこない。やけに静かなのが嵐の前の静けさなのか、五人をより一層緊張させた。  暫く歩いていると、美里(みり)は不気味な髪が落ちているこの森に違和感を感じた。 美里(みり)「皆、待って」  足を止め、他の四人に声をかける。美里の声掛けで皆が彼女を見る。 リング「美里、どうしたの?」 サジノスケ「何だ?! (ライバル)かっ?! 何の音も匂いもしないけど……」    森育ちの野生児、サジノスケはあたふたしている。 美里「何だか変だと思わない? この髪の毛の持ち主は、きっと髪の毛で攻撃しているはずなのに、落ちているだけで森に争った跡が全くない」  美里の言う通りだった。戦闘があれば何かしらの痕跡が地面や木々にあるはずが、全くない。森は。そして、耳のいいサジノスケなら、争った音があればすぐに気がつくだろうが、彼はそのような音が聞こえたとは一言も言っていない。 ウラ「確かに。変だわ」 シイ「さっきから、そう思っていた」 リング「言われてみれば、そうだね。おかしいかも。さすがだね! 美里! シイ君!」 サジノスケ「お、俺もさっきから、き、気付いていたぜ~」  リングの気を引こうと、サジノスケは見え透いた嘘をつく。ウラが白い目で彼を見る。 ウラ「……」 サジノスケ「……な、何だよ!ウラ。」  サジノスケは動揺する。ウラに見られ、明らかに目が泳いでいる。 美里「サジノスケ君、すごいね!」  美里が優しく彼をフォローする。思わぬ助け舟にサジノスケは安堵する。
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