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?「一人足りない……?でも、いいや。向うから来てくれたみたい……」
穴の奥深く、薄暗い空間で何者かが嘲笑う。その者の足音では、ズルズルと髪の毛が蠢いた。
美里は慎重に足場を探しながら穴の側面を伝いながら降りていた。下に行けば行くほど、光は届かなくなり薄暗くなっていく。
次の場所に足をかけた時、美里は足を滑らせた。その場所には髪の毛がびっしりと付いていたが、暗いせいで美里は気がつかなかった。
美里「!!」
すぐに穴の壁に手をかけようとしたが、滑った勢いで美里は重力に逆らうことができず、ぐんぐん穴の底へと誘われた。手は壁に届かなかった。落ちている間、光が遠ざかっていくのが見えた。
どしんっ
美里は大きな尻もちをついた。幸いにも、着地寸前で「式神探針」にて召喚した式神達を呼び戻し、美里の下に配備したことで緩衝材となり、大したダメージを受けずに済んだ。
美里「痛たた……」
美里がゆっくりと起き上がると、何かが這う音がした。
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