14話 不気味な髪の森

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ズルズル…ズルズル… 美里(みり)式神結界(しきがみけっかい)!」  音に警戒し、美里は式神を自分の四方と上方に配置した。式神達は淡い光を放ち、五体が結合し、美里を囲むように四角錐の結界が張られた。  その直後、地を這い、蠢く大量の髪の毛が美里めがけて向かってきた。 ズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズル  大量の髪の毛は、美里のことを探しているようで、暗い穴の中を右往左往に進む。結界は気配消しの効果があり、髪の毛は結界に触れても何も反応が無かった。暫くして、穴中を這っていた髪の毛は役目を終えたためか、初めに出現した方へと戻っていった。 (間違いない……。この髪の毛の持ち主は(ライバル)を感知しているんだ。そして、髪の毛が戻っていった方向に(ライバル)がいる……! きっと、皆も)  美里は(ライバル)の手掛かりを掴んだ。そして、結界を解かぬまま、髪の毛が戻っていった方向に慎重に進んでいった。だが、辺りは真っ暗で何も見えない。穴の中は髪の毛だらけの為か、地面は嫌に繊維質でごわごわしている。 美里「式神探針(しきがみたんしん)」  美里は結界と探知の魔法を併用した。探針で召喚した式神は、(ライバル)のいる方向を探った。
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