再初恋 ~愛の言葉は合言葉~

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久我先生はお兄ちゃんみたいな存在だった。 2つ歳上の兄がいたけれど特別仲が良くもなく、成長と共に会話も減っていった。兄もサークルやバイト、彼女や友達と会うなどでほとんど家にいなかったし。 私は反抗期はなかったけれど、両親にもあまり心を開けず何かあっても相談が出来ないタイプだった。両親が話しづらいとかではなく、周りに壁を作ってしまう私自身の問題だ。友達の相談も聞くばかりで、皆には『しっかりしてるね。』なんて言われていた。その度に自分の弱さを引っ込めて強いふりをしていた。自ら殻に閉じこもり孤独を感じてしまっていたのだ。
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