愛してる が 言えなくて

1/26
30人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「ふざけんなよぉぉぉおおお!!?」 久我梨苑(28)絶賛猛ダッシュ中。夜の森の中を全速力で走ってるんだがそれには理由があってチラと振り向けば狼のような物が数匹追ってきてるんだがこれが普通の狼じゃないんだよ。 目が普通の目の上にもう一つ目があり合計四つの目があり、まるでモンスターみたいだ。なんて考えていても仕方なくて今までで一番走ってるんじゃねーかと思う。 友人宅で夜巨乳美女のAV鑑賞会してどの子が良いかで盛り上がりその後帰り道で車に轢かれそうになって腕で庇い、ギュッと目を閉じていたが唸り声で見てみれば森の中に居て狼達が居たので逃げたという訳。 「マジ無理なんだけどぉぉ!!!?」 必死に走っていたが木の根に足がとられ盛大に転び、やばいと頭を守った瞬間ふわっと何かが隣を通過しギャインという呻きに似た声が聞こえて静まり返り俺は恐る恐る振り向いた。 そこには一人の人物が立っていてその手には剣が握られていて、血を振り払い剣を収めて振り向いた。月光に照らされたその姿はやはり現代日本には思えなくて何が何だか分からなくなってゆく。 焦げ茶の髪に深緑色の瞳の若い青年で、黒を基調とした騎士のような服で黒マントを纏っていたが内側は緑色で俺を見下ろしているその目は俺を値踏みしているかのようにも見えた。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!