桐ケ谷 悠聖の屋敷★

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桐ケ谷 悠聖の屋敷★

 あっ──という間に割烹着を捲られ、着物の前を割られると下着に忍び込んだ無遠慮な悠聖の指が、晴幸の恥部を掴んだ。途端、抵抗を叫び藻搔いた晴幸だが、力では到底適うはずも無くがっしりと悠聖に抑え込まれてしまった。   「お戯れは……お辞め下さい、桐ケ谷先生ッ──」  せめてもと、晴幸は自由の利く口で抵抗してみたが、屋敷の人間は聞こえていても素知らぬ振りで誰も駆けつけては来ないのだった。 「雷斗の相手をしているのだろう? ……何、隠すことは無い。どんな風に奴に奉仕をする? どうやってお前を悦ばせてくれるのだ? あの色男は──」  強靭な悠聖の肉体に組み敷かれ、接吻(くちづ)けで口も塞がれた晴幸は濡れた長い睫毛を震わせ、瞬きを繰り返すことしか出来なかった。 「怖がるな。俺は巧みで優しいぞ。必ずお前に極楽を味合わせてやる……」  掴まれた物を優しく扱かれ、晴幸は静かに瞼蓋を閉じた。緩やかに快楽へ誘われる律動が晴幸の身体を駆け巡り、堪え切れない官能が晴幸の口唇から喘ぎとなって微かに零れた。 「ふん、『ちょろむけ』が。随分元気じゃ無いか?」  晴幸のを嗤うと悠聖は其れを口に含み、舌先で包皮を捲り抉った。突然起こった鋭い痛みに晴幸の甘い喘ぎを小さく悲鳴に変え、クスり──と笑い口唇を退けた悠聖は、 「嫌ではなかろう──ほら、ドンドン硬くなって……(はした)なく涎まで垂らしおって」  小さな鈴口を嬲ると淫猥な湿音を態と響かせ、晴幸の耳を責めた。   「お前は相当な淫乱(スキモノ)であろう? 雷斗に仕込まれたか?」  言葉で嬲ることが愉しくて仕方ないとでも言うように、悠聖は口淫を辞め、 「悦いか? 此方はどうだ? 雷斗に許しているのだろう?」  言葉と共に幼い昂ぶりを扱き立てながら、晴幸の後ろを探ると最奥の一点を指で掠めた。   「お……お辞め下さい、桐ケ谷先生……どうか先生、あぁ──せん……せい……」  前の刺激に堪らず小さな腰を蠢かせた晴幸は、繊細な其処を抉られ小さく声を上げた。   「どうだ、欲しくなったか? 男を咥えたくなったのだろう?」  己を抜き出した悠聖が、仄かに彩染(いろづ)いて見える蕾穴に、充分と勃り起った其れを当て挿し込もうとした瞬間、襖の向こうで声が発った。   「……すみません、鰻屋です──。『肝吸い』を忘れまして……今お届けに」  突然の声に驚き悠聖の力が緩んだ途端、脱兎の如く飛び退った晴幸は、着物の乱れも構うこと無く襖を開けると、部屋を飛出し、目を丸くした鰻屋の脇をすり抜け全力を以って廊下を走り、驚いて声を掛けた女中に、『お邪魔しました』と挨拶を投げ、 悠聖の屋敷を飛び出して行った。
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