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 私はその口調の変わりように驚いて、後ずさる。 「な、なに?」 「だーかーら、コウジさん、アウト!」  彼女はさっきまでのしおらしい雰囲気はどこへやら、コケティッシュに笑うと、私の鼻先を指でちょんと押した。 「私ね、パパ活女子じゃないんです。公安から委託された民間の調査員、って言っても分かんないよねー!!!」  私は混乱していた。  彼女は、アヤセは何者だったのだ? 私は何を笑われているんだ?  彼女は続ける。 「最近ね、パパ活の中でも悪質な、紳士ぶった人の洗脳が問題になっていてね。あー、それ自体は多分犯罪じゃないんだけどさ、ちょっと実態を調査しないといかんねってとこまで来てた訳よ――」  紳士ぶった……?  実態を調査……?  何の話だ。コイツ、何を言っている。 「――それで依頼を受けた私は、可哀想なパパ活女子に扮して紳士マンを引っ掛けてたって寸法。でもコウジさんのお陰で手口が分かったのは収穫ね。ふーん、ああやって自分専用の子に、仕立てていく訳ねー。10万は大金だけど、リターン考えれば安上がりかもね」 「あんた、何言ってる! 私を騙していたってことか! ふざけるな、私を卑しいどこぞの輩と一緒にするな! 私は善意でやっているだけだ!」  私は気付くと声を荒らげていた。
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