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 身勝手だとは分かっているし、放っておくべきなのかも知れない。  しかし私は救いたいのだ。卑しいおじさんを演じてでも、彼女たちに近づき生の声を聞き、ともに解決策を講じたい。  善意。そう、これは善意だ。  私は獣の皮を被った善意の演技者(アクター)として、パパ活女子に近づく。そして願わくば、それが彼女たちにとって最適なターニングポイントになればありがたい。  私は財も名誉も持っているが、生憎と、それを注ぐ親愛なる人物というものがいない。天涯孤独であることが私を育てたとも言えるが、年々うら寂しくなってくるものだ。  だから善意のアクターとして、この私に出来ることをやりたいのである。  実際、今まで救ってきた子達は、今も私を慕ってくれている。それが自信となり、私は自分のこの行動に誇りを持っている。
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