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 私は自分の前方を目顔で示しながら、口を開いた。 「疲れたでしょう。ほら、座って座って。まずは何か飲もう」 「ありがとうございます。では、失礼します……」  中々礼儀正しい子だ。余計に胸が痛む。なぜこのような子が、パパ活というものに手を染めなくてはいけないのだろうか。  いきなりそんな会話になってもつまらない。まずはパパ活然として、料理やお酒を嗜むところから始めたほうがいいだろう。 「何飲む? お酒は飲めるかな?」 「あまり強くないですが、一応は」 「ビールはどう?」 「じゃあ頂きます」  私は頷くと、手を上げて店員を呼び、地ビールを2つとシーザーサラダ、ヒレ肉のステーキを注文した。 「訊いてなかったけど、お肉は好き? ヴィーガンってことないよね」 「お肉、大好きです」 「良かった。ならこのお店はおすすめだよ」 「こういうお店初めてですけど、素敵ですね」  彼女は少し首を傾けながら笑いかけてきた。素敵な女性じゃないか。  私はついビールの到着を待つことが出来ず、問いかける。 「……、初めて?」 「こういうの……あ、はい、そうですね。初めてです」 「そうか。まあ取って食ったりしないよ、リラックスして話そう」 「……そう言ってもらえると、助かります」  彼女は幾分安心した様子で、少し肩の位置が下がったように見える。  
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