誰に抱かれても歪んでぼやけた。

1/1
前へ
/35ページ
次へ
歪んでぼやけて、そんな視界の中でもキラキラと輝くもの。 周りの子どもや大人たちから聞こえる黄色い声。 私だけがこの世界を直視することができないように、照明が崩れてゆがんだ。 色んな色のイルミネーションの中を、おぼつかない足で歩きながら少し緩くなったお酒を流し込む。 プラスチックコップの水滴で手が滑った。 カタンと軽い音を出し、私の足元にビールが流れる。 足元が回るように、地面に吸い込まれるように そこで意識がなくなった。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加