0人が本棚に入れています
本棚に追加
いつのまに季節はかわっていたのだろう。
静まりかえった夜に、ためいきがおちる。
いや、ずっと見ないふりをしてきたのだ。
ふたりの時間が忙しさに侵食されていることを。
気がついたときには、もう、つめたい空気が流れていた。
ふとんの隙間からすべりこんで、
あなたのからだに、そっと足先を絡ませる。
「あなたのすべてが欲しい」
私が囁くと、あなたは怯えるように小さく息をのんだ。
触れた先からは、緊張が伝わってくる。
ひえきった私のからだは、
先にベッドに横になっていたあなたの熱を
容赦なくどんどん奪いとっていく。
また、大好きなあなたといっしょに寝れる
あたたかいおふとんの季節がやってきた。
最初のコメントを投稿しよう!