7人が本棚に入れています
本棚に追加
確かめ屋 三田浩二 顛末記 『桜の森の満開の墓地』
① 『琥珀亭』
昼間は、本格的コーヒーが味わえる、落ち着いたカフェ。
夜は、好事家が集まり、奇談珍談に花を咲かせるバー。
二つの顔を持つカフェバー。
『琥珀亭』
俺は、ここでウエイターや、皿洗いなどのバイトをしている。
『琥珀亭』を切り盛りするのは、正体不明の初老の男性マスター、バーメイドで年齢不詳のお姉さん天野鈿女ちゃん、そして俺、大学3年生 三田浩二の3人。
店内は、カウンターに5人、ボックス席に8人も座れば満員御礼になる、こじんまりとした作り。昭和チックでレトロ感満載だ。
それが『琥珀亭』。
俺、三田浩二は、ここを拠点にして裏のバイト『確かめ屋』をしているのだ。裏のバイトと言っても、決して怪しげな仕事ではない。人それぞれ、過去に思い残したことの一つや二つはあるだろう。その心の澱になっている出来事の顛末を、俺が確かめて来るってわけだ。名付けて『確かめ屋』。名前は、俺が勝手に考えた。で、確かめた暁には、幾ばくかの小遣いをもらう。
カフェバー『琥珀亭』の『確かめ屋』三田浩二。それが俺だ。なーんてね。
最初のコメントを投稿しよう!