わたしが着るまでかわいかったワンピース

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『西田景都　にしだけいと　と申します
名前は父がつけました。憧れのケイト・ブランシェットからとったらしいです
私も好きだよ、ケイト・ブランシェット
角食を愛しています
角食についてつらつら書きます
こんなに角食が好きなのに、普段は白と黒の服ばかり着ています
友達はそんな私を〝おにぎり〟と呼びます
〝おにぎり〟だけど角食と結婚したい
パソコンと一眼レフが宝物』

なにそれ。

そう思って画面を閉じれば、もう私の勝ちだった。

長い黒髪。
白い肌。
丸い顔。
小さな背丈。
黒いワンピース。
きれいな爪。
色んな色に塗られる爪。
その自由。
パソコン。
一眼レフ。
ケイト・ブランシェット。
ケイト・ブランシェットが好きな父。
ケイト・ブランシェットが好きな自分。

そういうの全部に目を閉じて、彼女のブログを閉じさえすれば、それはもう絶対、私の勝ちだったはずだ。