12、巨乳無口*

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 だが桜井は片方の乳首を指で摘まんで弄びながら、もう片方を舌で転がすように愛撫する。最初は触れられてもただ、くすぐったいだけだったその場所が、しだいに甘い疼きに似た感覚を拾い始め、杏樹の息が荒くなる。男もまた興奮してきたのか息があがり、豊かな胸に顔を埋めるようにして、乳房の愛撫に没頭する。 「ねえ、それ……なんか、ヘン、だから……もう……」 「はあっ……杏樹……好きなものを目の前にして、語彙力喪失……ああ、俺、今まさに巨乳無口……」 「あんっ、そこで舐めながら喋らないでぇっ」       桜井は杏樹をベッドに押し倒して、身体の上に覆い被さり、白い膨らみのあちこちにキスを落とし、吸い上げては痕をつけていく。平らな腹に唇を這わせ、小さな臍を舌で舐め上げられて、くすぐったさに杏樹が小さく叫んだ。 「やあっ……」  バスローブはすっかり脱がせてベッドの下に叩き落とし、膝を割ってその間に体を入り込ませる。昨日転んですりむき、大きな絆創膏を貼った膝を、桜井が心配そうにそっと撫でた。 「……まだ、痛い?」 「触ると、少し」
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