13、童貞×処女*

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 そっと上半身を倒してきた桜井が、杏樹の涙を吸い上げ、髪を撫でる。杏樹の緊張が少し緩んだすきに、最奥までようやく押し切って、男がため息を漏らした。 「全部、入った……」  「う……桜井さん……」  杏樹が涙で潤んだ目で見上げてその肩に両腕を回せば、桜井もギュッと抱きしめた。 「……雅煕(まさひろ)」 「え?」 「こんなことまでしてるのに、他人行儀な呼び方、せんでくれ。……雅煕や」      桜井が荒い息の合間に、掠れた声で耳元で囁く。 「雅煕さん……」    「杏樹……まだ、痛い?」 「ん……でも、さっきよりは、マシ……」  圧迫感に堪えながら言えば、桜井が杏樹の耳朶を甘噛みし、耳に舌を這わせる。熱い息がかかり、刺激に頭がぼうっとする。 「は、雅煕さん、……それっ……あっ……」 「杏樹のなか、すごい……ああ、こんなん我慢でけへん、動く……」  桜井が小刻みに腰をゆすりはじめ、杏樹が再び痛みに顔を歪める。 「ごめん、ごめんな、杏樹、杏樹……気持ちよくて、やめられへん、杏樹っ……」     「ふっ、あっ……ああっ……」
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