17、祖母バレ*

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「はあっ、杏樹っ……いいっ……はっ……」   慣れない杏樹の身体では、まだ決定的な高みに昇り切ることができない。ジリジリと焦らされるような状態がずっと続く。  自分の意志によらない、こらえきれない嬌声と、ベッドの軋む音。微かに響く水音。  ――気持ちいいか悪いかと言われれば、間違いなく気持ちいい。でも、遠火に炙られるような快感に長いこと苛まれ続けるのは、甘い毒に内部から侵されていくような、いつ果てるともなく続く快楽の拷問のよう。    男は杏樹に体重をかけないよう、顔の横に肘をつき、杏樹の顔中にキスの雨を降らせる。時折り、快感に堪えるように喉仏を晒し、汗ばんだ額髪を振る。苦悩するように歪んだ眉。額には玉の汗が浮かび、こめかみを汗が流れ、顎にわだかまった雫が杏樹の胸に滴り落ちて、その刺激に杏樹が悲鳴をあげた。   「ひああっ……やあっ、ああっ……ああっ……もうっ、もういやああっ」 「杏樹、ごめんっ……君の中が、()すぎて……」  「つら、辛いっのっ……お願いっ……」    桜井が杏樹の首筋に唇を近づけ、耳朶を甘噛みする。熱い息が吹きかけられて、その刺激がさらに杏樹を責め苛む。
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