18、釘を刺される

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 頭が真っ白になって、桜井は口ごもる。帰国後、自分はどうするつもりだったのか。深い覚悟もなく、無知で無邪気な杏樹に付け込んだ部分がなかったとは言えない。  動揺した桜井はこの後、何をどう、喋って通話を終わらせたのか、まったく覚えていなかった。       帰国まで、あと数日――
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