21、羽田の別れ*

3/8
前へ
/337ページ
次へ
 無理、と拒否しようとする唇が、桜井の唇で封じられる。大きな手で杏樹の手を掴み、強引に動かす。自分の指がつぷりと蜜口に沈められて、中をかき回させられる。桜井の舌が杏樹の咥内をかき回す音と、自身の指が秘所を出入りして立てる水音が同時に聞こえて、杏樹の脳が恥ずかしさで沸騰しそうになる。なのに快感は次第に大きくなり、そうなるともう、動きを止めることはできなくて―― 「は、ああっ……あっ……」 「ああ、上手や……今、俺は手伝うてへん。杏樹が自分で気持ちよくなってる。いやらしいな」 「やっ……ちがっ……そんなっ……は……ああっ……」    悔しさと恥ずかしさで溢れてくる涙を、桜井が唇で吸い取る。 「可愛いな……もう少しや。イく時の顔見せて……」  「あっ……だっ……ああっ……」   この恥ずかしい苦行から早く遁れたくて、杏樹が必死に指を動かす。その様子を桜井が蕩けそうな優しい目で見つめている。どう、して―― 「あっ……ああっ……」  ようやく達して、男の裸の胸に身を預けて絶頂に震える杏樹に、桜井が囁く。
/337ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2331人が本棚に入れています
本棚に追加