21、羽田の別れ*

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 桜井が杏樹の腰を少し持ち上げ、杏樹もまた桜井を跨いで膝立ちの体勢になる。尻の方から長い指が秘裂を割り、蜜口の位置を確かめて、先端を宛がう。 「あ……」 「ゆっくり、腰落として……そう……ああっ……」 「はっ……ああっ……」    ずぶずぶと切っ先が杏樹のなかにめり込むように分け入っていく。すべてを納めきると、桜井が端麗な眉を寄せ、深いため息を吐いた。 「杏樹……」  「んん……あっ……」  切なげに眉を寄せた桜井が、杏樹の頬を両手で包み、唇を合わせる。角度を変えるたびに、わずかな身体の動きが杏樹に刺激となって響いて、杏樹が身を震わせ、中を締め付ける。 「くっ……あ……なか、……すごい……杏樹……悦い……杏樹……」 「はっ……まさ、ひろ、さん……ああっ、あっ……きちゃう、ああっ……」  「まだ、だめや……少しでも、長く……一緒に……」    お互いにゆっくりと身体を揺すり合って、しだいに抽挿を深める。男の額に玉の汗が浮き、こめかみを流れ落ちていく。だんだんと激しくなる動きに、杏樹の白い胸が上下に揺すられ、長い髪が乱れる。  「杏樹、杏樹……離れても、君だけや……杏樹……」
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