22、祖父と祖母の因縁

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 雅煕が困惑を隠さずに言う。結局、五十年前の因縁を繰り返したってこと? 「考えようによっては、お前の童貞を喰って二十万ぽっちで片付けようとしてんのや。それをおじい様がどう、判断するかやな」     幸煕に言われ、雅煕が眼鏡の奥の目を剥いた。  ――いや、俺の童貞はたぶん、五百円くらいの価値しかないと思うで――?
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