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荒々しく貪って唇を離す。キスに蕩かされたような表情で見上げられて、雅煕の脳は興奮で沸騰しそうになる。
「君はっ……四か月も俺を放っておいて、突然、やって来たかと思ったらそんなことを! 俺の! 俺の純情を引っかき回すのが、そんなに楽しいか?」
「ち、違っ……そん、なんじゃ……んんっ……」
もう一度激しく口付けられて、舌を絡めて咥内を蹂躙され、ゾクゾクした感覚に杏樹が身を捩る。男の手が女の身体を絡めとるように背中から尻へを滑り、柔らかな肉をギュッと掴んだ。
雅煕が欲望でギラギラした目で杏樹を見下ろし、興奮で荒げた息の隙間で囁いた。
「杏樹……我慢できない。杏樹が欲しい。……ベッドに行っても?」
杏樹がコクリと頷いて、恥ずかしそうに男の肩に額を預けた。
内ポケットからスマホを出して、ほとんどワンアクションで上着を脱ぎ捨てると、ベッドサイドのテーブルにスマホを置き、左腕の時計を外してそれも置く。ネクタイピンを外し、ネクタイをもどかし気に解いて抜き去り、乱暴に投げ捨てる。シャツのボタンを外し始めた雅煕を、呆然と見つめる杏樹の視線に気づき、雅煕が言った。
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