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「どうしたの、杏樹」
「え?……いえ、その……」
下を向いてモジモジしている杏樹の姿に、ふっと笑みを漏らす。
「……今さら、恥ずかしくなったん?」
「だって……」
長い腕が伸びてベージュのカーディガンを剥ぎ取り、白いノースリーブブラウスから覗く、細くて華奢な二の腕に雅煕は顔を近づけ、キスを落とす。
「俺も、久しぶりで恥ずかしいし、緊張してる。さっきから手が震えて、ボタンが上手く外されへん……」
そう言いながら、杏樹のブラウスの、胸元のボタンを外す。上から二つ外すと、盛り上がった胸のせいで胸元は自然とはだけて、白い胸の谷間が露わになる。
もう一度、あの胸が拝めるならば死んでもいいとまで焦がれた二つの丘。許されるなら、この胸の谷間に溺れて窒息死を選びたい。少々強引に顔を近づけ、柔らかな肉に顔を埋める。
トクトクと響く心臓の音。さっきから、やたら荒々しいのは自分の息だ。興奮が止まらなくて、脳の血管はたぶんもうすぐ切れる。柔肉に唇を這わせ、強く吸い上げれば、腕の中の杏樹が声にならない悲鳴をあげ、身を捩った。
「痛かった?……ごめん」
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